株式投資

iDeCoは所得控除があるからNISAより優先ですか?

所得控除というのは確かに魅力的ですよね。しかし、iDeCoはそれだけでは終わらないのが難しいところです。回答としては、NISAを優先です。

iDeCoよりNISAを優先する理由

iDeCoは拠出時に所得控除が適用されます。しかし、iDeCoは受け取り時が問題なのです。

受け取り時は”全額”課税対象になり得る

iDeCoは受け取り時に控除を適用しないと”全額”課税対象になります。

なので、NISAよりiDeCoを優先とは言えません。具体的な数字で考えてみましょう。

NISAつみたて投資枠とiDeCo、ともに月々2万円を20年間積み立て、5%複利で運用出来たとします。

この場合、総額約820万円になります。NISAの場合、そのまま全額非課税で受け取れます。問題はiDeCoです。

拠出時の所得控除により節税額は96万円になりますが、最悪の場合約820万円が課税対象になります。

課税の対象は、運用益だけではありません、全額です。

最悪の課税額は節税額の2倍

全額が課税対象になったと仮定すると、この場合23%の税率がかかりますので、約190万円が税金に取られてしまいます。節税額の2倍です

実際にどれくらいの額が課税対象とされるかは、受取額、加入年数、退職金の有無、勤続年数など、様々な条件によって変わります。

この受け取り時の控除の受け方を間違えると、拠出時の節税が無意味になってしまうのです。

元は自分のお金なのに、課税対象となる理由

これを知った時、私は不思議に思いました。運用益に課税されるなら分かりますが、自分で出したお金が戻って来た時に課税されるとはどういうことだ、と。

その理由は「拠出時に所得控除を受けているから」です。控除を受けて払うはずだった税金を免除されているので、受け取り時には課税されるということです。

このことはあまりクローズアップされていないので、注意しましょう。

以上のように、単純明快なNISAと違って、iDeCoは受け取り時が複雑なため、iDeCoの方を優先とは言えないというのが、私の考えです。

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